結論から
プロテインの選び方は、味・価格・溶けやすさ・ブランドなど、人それぞれ色んな観点があっていいと思います。当サイトは、その中で効率よく栄養を摂りたい人向けに、タンパク質1kg単価とロイシン1g単価の2軸でプロテインを並べています。
このうちロイシン含有量は、成分表示にも公式サイトにも書かれていない製品が多くあります。当サイトでは、書かれていない製品は販売元に教えていただいたうえで載せています。公表していない数値でも、個人からの問い合わせに真摯に答えてくださった販売元がいくつもあります。この場を借りてお礼申し上げます。個々の製品のロイシン1g単価はコスパランキングで見られます。
なぜロイシンを見るのか
ロイシンは必須アミノ酸の一つで、筋タンパクの合成に関わるアミノ酸として扱われています。プロテインの種類ごとの効果を比べたメタアナリシスでも、ホエイが上位に来た理由の仮説としてロイシン量が挙げられています(プロテインは1日何gで頭打ちになる?ホエイ・カゼイン・ソイを同じ土俵で比べた2026年のメタアナリシス)。
「アミノ酸スコアが100なら同じでは?」と思われるかもしれません。アミノ酸スコアは9種の必須アミノ酸のうち基準に足りていないものだけを見る指標で、基準を超えて多い分は評価に出ません。基準となる評点パターン(2007年改定、18歳以上)ではたんぱく質100gあたりのロイシンは5.9gですが、ホエイプロテインにはその倍前後が含まれます。スコアが同じ100でも、ロイシンの量には製品ごとの差があります。アミノ酸スコアの考え方はタンパク質を摂取する上で大切なアミノ酸スコア、原料ごとの違いはホエイプロテインって何?ソイ・カゼインとの違いは?で扱っています。
タンパク質1kg単価だけを見ると、この差は見えません。そのためロイシン1g単価を並べていて、それには製品ごとのロイシン含有量が必要になります。
ロイシン含有量はどこで分かるか
加工食品の栄養成分表示で義務づけられているのは、熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目です1。アミノ酸ごとの量は義務ではないため、書くかどうかは販売元の判断になり、成分表示にロイシンまで書かれている製品は多くありません。公式サイトの製品ページにアミノ酸組成を載せているブランドもありますが、こちらも多数派ではありません。
そのどちらにも無い場合は、販売元に教えていただくほかありません。
販売元からの回答をどう受け取っているか
書かれていない製品は、販売元に問い合わせてロイシン含有量を教えていただいています。数値をいただけない場合の説明は「ロットごとに成分が前後するため成分表を開示していない」「規格値として持っておらず、参考値しかない」といったものです。プロテインの主原料である乳由来の粉は原料のロットでアミノ酸組成が実際に前後するため、製品として保証できる数値を持たない販売元もあります。その場合は値を空のままにしています。
数値をいただいた場合も、そのまま採用しないことがあります。原料段階の分析値はフレーバーや甘味料を加えた製品より濃いので、製品としての値をあらためて教えていただきます。タンパク質100gあたりに換算して他の製品の水準から大きく外れる値は、単位の読み違いなどこちら側の問題もあり得るため、読み方が合っているかを見ていただいてから採否を決めています。
得られた値の幅
採用した値をタンパク質100gあたりに揃えると、2.7gから14.1gの範囲で、中央値は11.3gでした。ホエイプロテインの回答が中心なので、ホエイの水準として読んでください。
このサイトでの扱い
- 教えていただいた値はタンパク質100gあたりに換算して製品ごとの記録に入れ、ロイシン1g単価の計算に使っています。ランキングは「ロイシン単価」に並べ替えられます。
- 特定ロットの分析例や原料の値など、製品の代表値として扱えるか判断がつかない値は入れていません。
- ロイシン含有量が分かっていない製品は、ロイシン単価の並べ替えから外れます(除外した件数を一覧の下に表示しています)。タンパク質1kg単価のランキングには通常どおり載り、散布図では左側の「ロイシン不明」の帯に置いています。推定値で埋めることはしません。
- 製品への適用範囲や分母が未確認のメーカー参考値は、詳細ページで理論値・原料からの計算値と区別して示す場合があります。比較採用を保留した値は、ロイシン単価・順位・散布図の数値には使用しません。
- 公開するのは成分量・換算値・単価と、その根拠区分や回答日です。回答の文面そのものや、やりとりの経緯は公開していません。
表示を自分で読むには
ロイシンを気にしない選び方も、もちろんあります。この節は、気にする人向けです。成分表示では「たんぱく質」と表記されるため、ここでもそれに合わせます。
- 熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目より下にアミノ酸の一覧があるかを見ます。無ければ、その製品のロイシン含有量は表示からは分かりません。
- ある場合は何あたりの数値かを確認します。「製品100gあたり」「たんぱく質100gあたり」「1食あたり」で数字の大きさが変わります。
- 製品100gあたりの値は、たんぱく質含有率で割るとたんぱく質100gあたりになります。製品100gあたり10gで含有率80%なら、10 ÷ 0.8 = 12.5gです。この換算をしないと、含有率の違う製品どうしを比べられません。
- 1食あたりの表記なら、1食が何gで、そのうちたんぱく質が何gかが併記されているかを見ます。併記がないと、たんぱく質あたりに直せません。
- 表示に無い値は、当サイトで確認できたものを製品ごとにコスパランキングに載せています。ただし、ロイシンの値を規格として持っていない販売元もあるため、表示に無い製品すべてで分かるわけではありません。
最新のロイシン単価を見るには
市販のプロテインを種類ごとに集めて、タンパク質1kg単価とロイシン1g単価の2軸で並べています。原料が違うと同じ物差しではミスリードになるため、ホエイ・ソイ・カゼイン・ミルクプロテイン・ハイブリッドでページを分けています。ロイシン含有量は確認できたもののみを反映していて、正しい値でお伝えできるように心がけています。
筆者の紹介
注釈・出典
- 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第3条。容器包装に入れられた一般用加工食品では、熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の表示が義務づけられています。ただし、表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下のもの、消費税の免税事業者や中小企業基本法の小規模企業者が販売するもの(当分の間の読み替え)などは省略できます。表示単位は100g・100ml・1食分・1包装のいずれかで、1食分の場合はその量を併記します。概要は消費者庁「栄養成分表示について」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/)。