本記事の対象者

ジムで筋トレメニューを組む時にバーベルベンチプレスとスミスマシンベンチプレスどちらにするか迷っている方。
スミスマシンとバーベルベンチプレスどちらのほうが効果的かご存知ですか?
本記事では、2010年に発表された研究1を元にバーベルベンチプレスとスミスマシンベンチプレスの違いについて解説します。

筆者の紹介

筋トレ好きのエンジニアです。技術評論社『Software Design』で「エンジニアのためのやる気UPエクササイズ」を2年間(全26回)連載し、Xのスペースで毎晩21時から20分の家トレを配信する「みんトレ」を6年ほど続けています。

研究内容の紹介

この研究では、26人の男性がバーベルベンチプレスとスミスマシンベンチプレスを行った時の胸と肩の筋肉の活性度を測定しました。
被験者は二十歳前後で、半数が6ヶ月以上のベンチプレス経験者、残りの半数は筋トレ初心者でした。
研究は、以下のステップで行われました。

  1. 被験者を「バーベルベンチプレスグループ」と「スミスマシンベンチプレスグループ」に分ける
  2. 1RM(1回上げられる最大重量)の70%と90%を上げた時の筋電図(EMG)を測定
  3. 別日にグループを入れ替えて再度測定

研究結果について

研究の結果は、胸部と三角筋前部に関しては、バーベルベンチプレスとスミスマシンベンチで同等のEMGが観測されました。
しかし、三角筋中部に関しては、スミスマシンベンチプレスよりバーベルベンチプレスの方が1.5倍EMGが高かったのです。

MD: 三角筋中部
AD: 三角筋前部
PM: 胸筋
ベンチプレスVSスミスマシーン
これは、バーベルベンチプレスを行う際に、バーが色々な方向にずれてしまうのを抑制するために三角筋中部が使用されたと考えられます。
スミスマシンではバーのズレを意識する必要がないため、胸部により高い負荷がかけられるという意見もありますが、この研究ではそのようなことは発生しませんでした。
また、筋トレ初心者はスミスマシンの方が習得が容易であるという説もありますが、この研究では、初心者も6ヶ月以上の経験者もどうようにバーベルベンチプレスからで筋肉を活性化させることができました。

まとめ

この結果は、決してスミスマシンベンチプレスよりバーベルベンチプレスをやった方が良いということではありません。
三角筋の疲労度や手首の怪我の懸念などからスミスマシンベンチプレスを選んだ方がよいこともあります。
しかし、バーベルベンチプレスを行うと三角筋中部も同時に鍛えやすいという事実は、筋トレのメニューを組む際の参考にできるのではないでしょうか。

おすすめ胸のトレーニング

今回はベンチプレス以外の胸のトレーニングを3つご紹介します。

デクラインベンチプレス

デクラインベンチプレス
以下の図は、胸の上部・中部・下部のEMGの活性度を表したものです。

胸のEMG活性度
SuppVersityより筆者編集

こちらによると、胸の上部・中部・下部すべてが、15°のデクライン(頭が脚より下にある)状態でのベンチプレスでEMGが最大化されたそうです。
デクラインなので下部なら分かりますが、上部においても最大値を示していることには驚きです。

インクラインダンベルベンチプレス

インクラインダンベルベンチプレス
胸の上部を重点的に鍛えたいのであれば、インクラインダンベルベンチプレスがおすすめです。
インクラインダンベルベンチプレスにより胸の上部の筋繊維の91%が活性化しているというデータ2もあります。

ペックデックフライ

ペックデックフライ
ペックデックフライは大胸筋の最大収縮時に最も負荷がかかるトレーニングです。
実はバーベルベンチプレスの98%程のEMGを記録しているというデータ3もあります。
しかしフォームが難しく独自のやり方になってしまっていないか注意が必要です。

おすすめの胸のトレーニング紹介は以上です。

注釈・出典

  1. A comparison of muscle activation between a Smith machine and free weight bench press.
  2. Most Effective Exercises per Muscle Group Using Electromyography
  3. Top 3 Most Effective Chest Exercises